使い古された流行語で申し訳ないが、何が言いたいのかといえば「キャンピングカーを買うなら早ければ早い方がいい」ということ。 キャンピングカーの購入について相談に乗っていると「この子がもう少し大きくなったら…」「定年になったら」などの言葉によく出会う。 確かに大きな買い物だし、しかるべき準備も必要だろう。検討しなければならないことがたくさんあるのもわかる。が、購入を先延ばしにしている理由を詳しく伺ってみると、実はちょっとした誤解のせいであったりして「もったいない!」となることがよくある。
例えば、若いファミリーの定番中の定番コメントがこれ。
「この子がもう少し大きくなってから…」。
小さい子どもを連れて泊まりの旅行は大変だ、無理だ、と考える方が多い。
確かに、授乳やおむつを必要とする子どもを連れての移動は大変だ。荷物も多いし、第一子どもは大人の都合なんぞおかまいなし。おむつもおっぱいも、待ったなしである。おむつやおっぱいを卒業しても、子どもは当分の間、目を離せない。おまけに、公共交通機関の旅は時間厳守である。連休どきの新幹線のホームなど、泣き喚くわが子を横抱きにして走る若いお父さん・お母さんを何度も見かけている。
だが、私の考えでは、お子さんが小さければ小さいほど、キャンピングカーで出かけるメリットは大きい。
ちょっとイメージしてみて欲しい。
高速道路が渋滞。子どもがトイレを訴えてもキャンピングカーなら大丈夫。後ろにトイレを積んでいるタイプなら、冷や汗かきながらサービスエリアを待ち焦がれずにすむ。
移動の途中で赤ちゃんの授乳タイムになっても、授乳室を探してさまよわずにすむ。お湯だっていつでも沸かせる。おむつ換えもすぐだ。
出先で子どもが疲れた、おなかが空いた、と言い出したら。車へ帰ればいい。
あるご家庭ではテーマパークやショッピングモールへキャンピングカーで行く。遊びに買い物に夢中な奥様と長女を好きなだけ自由にさせて、お父さんと長男は早々に車に戻る。お父さんはのんびり昼寝、息子はゲームやDVDで大満足である。
アレルギー体質の子どもさんならなおさらキャンピングカーは心強い。
私が知っているだけでも、卵、そば、ゴマ、甲殻類…アレルギーに苦しめられている子どもたちはたくさんいる。とくにそばアレルギーなどは、旅館のそば殻の枕でも発症するという。
その点、生活空間をそのまま持ち運ぶキャンピングカーは、体に合った寝具、体に合った食べ物を持参できるのがありがたい。
大切なわが子だからこそ、広い世界を見せてやりたい。いろんなことを経験させてあげたい。だったら「大きくなったら…」ではなく、今、連れ出してあげよう。
小さすぎて、記憶には残らないかもしれない。けれど、小さいときから余暇を思い切り楽しむ両親を見て育つお子さんは、きっと幸せなはずだ。
他方、シニアの方の定番が「定年になったらね」。
確かに、定年を過ぎれば時間もできるし…というのはわかる。だが、のんびりと長期間旅行をするには、実はそれなりにノウハウが必要だ。いざ定年を迎えてみたら、これといった趣味もなく、何をどうしたらよいかわからず呆然…というのもよく聞く話。
それに、都合よく時間を合わせて遊べる友人もそんなにはいないだろう。結局、夫婦だけで過ごすことが多くなり、ケンカばかり…という切ない話もある。
だったら、少しでも早く、キャンピングカーを手に入れて、一泊でも二泊でも、出かける習慣にすることをおススメする。次第に旅慣れてくると、おのずから友達も増えてくる。旅のノウハウが蓄積され、情報も入ってくるようになる。すると、今度はあそこへ行きたい、ここへ行きたい、という希望も広がってくる。
さらに、日ごろからちょくちょく旅行に出かけていれば、夫婦のコミュニケーションだって変わってくる。旅を通してさまざまな体験を共有できれば、価値観も分かり合えるし、連帯感だってアップする。そうやって、忙しいころから積極的に遊びに「慣れて」いけば、いざ、時間が潤沢にできたときにも、すんなりセカンドライフに移行できる。人も車も「慣らし運転」が大切なんだなぁ、と思う。
また、シニア世代もさらに年長になると、健康に不安を抱えるようになる。近隣のお友達からバス旅行に誘われるが、トイレが近いから…としり込みしてしまう。持病があって、食事制限が厳しいから、他人との旅は気兼ねばかりで…という方もいる。だからといって、旅をする楽しみまで、自分から取り上げてしまわないで、と思う。
なにも遠いところへ出かけるばかりが旅ではない。自分のペースでのんびり走ればいい。何度でも、トイレ休憩をとればいい。食べ物が心配なら、家から持参したり、行きたいお店をあらかじめ調べておけば安心だ。
旅という非日常の中に、「我が家」という日常を持ち出す。それがキャンピングカーである。旅やレジャーを楽しみたいのなら、「○○したら…」ではなく、思い立ったその時こそがベストタイミングなのである。